今年は、祭り好きな掛川の人びとが、待ちに待つ三年に一度の大祭です。龍尾神社の神輿渡御(みこしとぎょ)が行われ、他に類を見ない三大余興「仁藤の大獅子」の壮麗な舞をはじめ、「瓦町のかんからまち」「西町の奴道中」が華やかに繰り広げられ、掛川の中心部は、祭一色に染められます。
かんからまちは、行列と獅子舞から成る瓦町の伝統神事芸能です。二頭の雄が一頭の雌を巡って競い合い、神の前で和合するという筋書きで、三頭の獅子が笛に合わせて優雅に、そして躍動的に舞います。太鼓と笛の音に合わせた、三頭の獅子の際立った存在感が見所で、静岡県無形民俗文化財 第一号 に指定されています。(瓦町)
三年に一度、その壮麗な姿を披露する仁藤の大獅子は、掛川の街なかをところ狭しと練り歩きます。重さ220キロ、巨大な獅子頭に胴体が25メートルに及ぶ獅子の巨体は、百数十人が呼吸を合わせて操り、激しく威勢よく舞います。大祭最終日には、夕闇迫る天然寺の境内にかがり火が灯され、大獅子が大乱舞を繰り広げます。(仁藤町)
見どころは槍や大鳥毛の受け渡しで、道具類には掛川藩の紋章がありますが、起源については、明治時代に日清・日露戦争勝利の祝賀として、当時の薩長政権になぞらえ、薩摩藩の行列を模して考案したとされます。(西町)